1日水道電気なし自宅生活:水1日3Lは厳しい LEDランタンを持て
今回の記事は1日水道と電気を使わない生活をしてみた体験レポートです。災害にあって、断水、停電で自宅生活を余儀なくされる前に、よろしければお読みください。
※今回の生活で知ったことについては「まとめ」に書いてあります。結論をすぐに知りたい方は下の目次のリンク「まとめ」をクリックしてください。
2021年5月2日。コロナウイルスの感染がおさまらず、今年もステイホームを要請されたゴールデンウィーク中のことになります。
私は少し前からやってみようと思っていたことを実践しました。それは
「1日水道電気なし生活」
災害に見舞われ断水、停電に陥った時にどういう不便が生じるのか。備えてある非常食、防災用品は役立つか。量は足りるか等を知ろうと思ったことがきっかけです。下記の制限を設けて1日生活しました。
- 水道の使用禁止
- 電灯、コンセントの使用禁止
- ラジオの使用はOK
- スマートフォンの使用もOK、ただし最低限の調べもの、天気やSNSのチェックのみ。娯楽としての動画やゲームはNG
- 散歩はOK、ただし買い物、外食はNG
以下その体験を時系列でまとめましたので記します。
目次
2:30 真夜中
5月2日真夜中、睡眠が浅かったのか予期せずに目が覚める。口が乾いていたのでうがいをしようとするも、もう既に水道、電灯使用不可の状態は始まっている。
スマートフォンの灯りを頼りに、ペットボトルの水を開けてうがいをする。ペットボトルは以前買った備蓄用2L 入りを使用。
現時点で備蓄用の水は飲料用が残り2L入り6本と非飲料用として水道水を入れた5Lのボトルを用意してあるが、早くもここから使ってしまうことになるとは・・・。
1日だけとはいえ、使える水がだんだんと減っていくことへの不安、水道、電気が自由に使えないことの不便さを早々に感じて、早くも心折れそうになった。
7:30 起床
日の光がカーテン越しにもれている。この時間帯なら電灯なしでも部屋の中で生活ができるのでホッとする。洗面には非飲料用の水を使用し、洗面器で顔を洗う。
8:15 朝食
朝食。期限が最も近く、どんな味と食感か気になっていた「そのまんまOKカレー」と「アキモトのパンの缶詰」を実食。食器は水を使わないようにラップを2重にお椀に被せて使う。
カレーは「ご飯は必要ありません」の表示の通り、中にご飯(正確にはでんぷんの加工品らしい)が混ざっていた。中身はほとんどカレーペーストで味も普通の濃いカレー。気になって裏面の栄養成分表示を見たら衝撃の食塩量4.6g!!非常事態ではやむを得ないだろうけど通常なら過剰摂取だよ。
パンはデニッシュのような感じでモチモチ感があり食べやすかった。できるならコーヒーかお茶を用意しておけばよかったと思った。
9:30 トイレ
もよおしてきたためトイレへ。防災用に買っておいた「BOS非常用トイレセット」を使った。
黒い袋を便器に被せて、使用後は凝固剤を入れ袋を閉じる。更に白い袋に入れて翌日まで貯めておき廃棄。
このトイレセットの防臭袋の効果は箱に記載の通り優れており、換気扇なしの状態で袋をトイレに入れておいたが、約8時間経ってもトイレは臭くならなかった。
12:00 昼食
午前は衣替えや部屋の掃除をしたりラジオを聴きながら過ごしお昼に。
インスタント焼きそばと非常用の長期保存野菜ジュース缶、おまけでお菓子(大豆、ナッツ)をつけた。
以前より買っていたイワタニのカセットコンロで湯を沸かして、インスタント焼きそばに注ぐ。
気になったのは水の使用量。焼きそば一杯で約500mL。普段は全く気にならない量が、水の使用に制限がかかると途端に多いと感じるから不思議だ。
今回は洗い物が出ないように割り箸を使った。
18:30 日没
午後はここまでの出来事のまとめ(この記事を書くための手書きメモづくり)や読書をしながら過ごし、そうこしているうちに日没。
まだ外に明るさはあったが、部屋はだんだん暗くなってきた。この先部屋が暗闇になることを考慮し、手元にLEDランタンやヘッドランプ、そして夕食用の非常食を用意した。
19:00 散歩
完全に外は暗闇に包まれて、部屋には灯りが必要となる。
夕食にアルファ米(水でもどして食べられるご飯)を食べるため、水を入れた後の待ち時間があり、気分転換に外を散歩した。
外は建物や街頭、車の灯りであふれている。部屋の中よりも外の方が明るいという矛盾した状況が生じた。
19:30 夕食
部屋の中に入ってLEDランタンの灯をともす。今まで備えているだけで対して使わなかったこのLEDランタンが真価を発揮した。かなり明るい。6畳一間の部屋を照らすのには十分な量の明るさだ。これなら夕食も問題なく食べられる。
防災食のアルファ米と、温めなくても食べられる肉じゃがを食べた。朝昼とタンパク質のあるものを摂っていなかったため、肉が無性に美味しい。
21:30 就寝
夕食後はランタンの灯りで読書をしたり、ストレッチしながらラジオを聞いていたりしたが、暗い中で何もやることがなかったし、眠気も来たので早々に寝ることにした。こんな時間からの睡眠はトレイルランニングのために早朝出かける時ぐらいか・・・。
24:00
水道電気なし生活終了。
まとめ
この生活を通して思ったことは次の2点です。
1.水は重要。1人1日3Lの目安に騙されるな。
私の使用した水の内訳はおおよそ次のような感じです。
飲料水 約1.2L
食事に使用した水 約600mL
歯磨き3回に使用した水 約500mL
スプーンの洗浄1回に使用した水 約100mL
歯科矯正用のマウスピースの洗浄3回に使用した水 約300mL
洗面1回に使用した水 約1.5L
手洗い2回に使用した水 約2L
食事に使用した水は、昼にカップ焼きそば、夜にアルファ米を食したためです。
洗面は朝、手洗いはトイレの時のみ行い、食事の前はウエットティッシュを使用しました。
多少無駄使いしたところはあるかもしれませんが、なるべく使わないように気は使ったつもりです。
一人1日3Lの備蓄が世間では推奨されていますが、これは生活用水を含めてということでしょうか?根拠等詳しいことはわかりませんが、やはり経験として実践してみて3Lというのはなかなか厳しいように思えてなりません。
マウスピースの洗浄は通常は行わないのでそれ以外の点で水の消費を抑えるならば、洗面をせず、スプーンを使い捨てとし、手洗いを毎度ウエットティッシュ等で行うことをすれば良いとは思いますが、普段の生活と同じようなことをすればあっという間に水は消費してしまうものです。
上記のようなことから、一人1日3Lは消費を限りなく抑えた場合であり、食事の内容、洗面や手洗いをしたい場合によってはもっと多くの水の量を備えるべきでしょう。個人的には倍の一人1日6L以上を備えるのが良いと思いました。
2.夜の灯りは必須。ランタンは絶対に備えるべきもの。
夜は灯りなしでは全く部屋の中で行動できなくなります。懐中電灯やヘッドランプでは灯りの量はたかがしれています。やはりLEDランタンを備えるべきです。
私のLEDランタンはAmazonで安く買ったものですが、それでも最大1000ルーメンの明るさが出るもので、これが6畳一間の部屋を余裕で照らしてくれることがわかりました。
意外なことにスマホのモバイルバッテリーは1度も使いませんでした。さすがに2~3日続けば使うことはあると思いますが、ラジオ生活に慣れていたため、スマホ自体殆ど使いませんでした。それよりもやはり水が徐々に減っていくことに不安を感じました。
1日だけでしたが、普段しないような経験をしたことは意味があったと思っています。
これを読んだあなた、いざという時に備えるべき防災用品が何かを考えるきっかけにしてみてください。
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