自己満雑記

2020年は野菜栽培挑戦記、2021年は雑記中心、2022年は最近お気に入りのパン屋のパン紹介記事中心

2021年の芥川賞作品3つ聴いて気付いたある共通点

今回の記事は2021年に出版された芥川賞3作品をAmazon Audible(オーディオブック(スマホで聴く読書))で聴いていた時に気づいたことについてです。(ネタバレもあるので知りたくないという方はご注意ください)

以前の記事でAmazon Audibleで「学びを結果に変えるアウトプット大全」(著者 樺沢紫苑)を聴いた話を取り上げました。

chronosdeer.hatenablog.com

その後もこれまで色々な作品を聴いてきたのですが、その中でメンタリストDaiGoの「超決断力」という本を聴き、決断力を上げる方法の一つに「小説を読む」というのがありました。

www.amazon.co.jp

その中でどのような小説が良いかということについて、簡単に結論が出ないような作品であることを上げていて、更に次のように紹介されていました。

日本で言えば大きく分けて芥川賞にノミネートされているタイプの作品が当てはまるのではないでしょうか。

「超決断力ー6万人を調査してわかった 迷わない決め方の科学」

著者 メンタリストDaiGo 

特別章 さらに決断力を上げるための4つの方法 10:44~10:52

単純な私は(決断力を小説で上げられるなら安いもんだ。試しに今まで聴いたことがなかった芥川賞作品がどんなものか聴いてみるか)と同じAmazon Audibleで近年出版された芥川賞作品を聴いてみました。

 

1冊目は「ブラックボックス」 著者 砂川文次 2021年下期受賞 

www.amazon.co.jp

自転車便のメッセンジャーである20代のサクマが主人公。前半は自転車便の仕事の様子やメッセンジャー仲間との会話が中心だが、途中から一気に刑務所へと場面が変わり、その経緯と刑務所での話が展開されていく作品。

私は読んでいて、この急激な場面変更には「えっ!なんでいつの間に刑務所に入れられているの」と、思わず聞き逃したところがなかったかとAudibleでタイムスライダーを戻してもう一回聴き直してしまっていました。

2冊目は「彼岸花が咲く島」 著者 李琴峰 2021年上期受賞

www.amazon.co.jp

ある島に流れ着いた少女「ウミ」とその島に住む少女「ヨナ」がその島を統治する巫女のような存在である「ノロ」になろうとするが、そこでその島の歴史に係る驚くべき事実が明らかになるという物語。

日本語と沖縄の方言が混じったような「女語」や「ひのもとことば」といったこの作品独特の言語が登場人物の会話に使われているところが面白いと思う一方で、島の歴史に関する話は、現実世界の戦争や男女問題、外国人問題等を暗示しているようで読んでいてゾクッと感じたところがありました。

3冊目は「貝に続く場所にて」 著者 石沢麻依 2021年上期受賞

www.amazon.co.jp

ドイツで暮らす主人公のもとに、東日本大震災津波で行方不明になった友人の「野宮」の幽霊が現れるところから展開していく話。

この作品は会話が殆どなく描写を表す記述ばかりで、一通りは聴きましたが私にはなかなか頭に入ってこない作品でした。AudibleやAmazonでの書籍としての評価も理解が難しいというものが多いようでした。

これらを聴いてきたわけですが、ふとある時この3作品の思わぬ共通点に気づきました。

「こんな状況」というのは言うまでもなくコロナのことで、緊急事態宣言なんかの時はすべての業務がストップしたからさすがに焦った。

ブラックボックス」 著者 砂川文次 朗読 向山太規 1:08:30~1:08:41

 

店は左右に狭く奥に長かった、いくつかのテーブル席とカウンター席があるがどれもこれもに感染防止のためのアクリル板があって一層の圧迫感があった。

ブラックボックス」 著者 砂川文次 朗読 向山太規 1:59:34~1:59:48

 

ある年、日本で流行り病がはびこりだしてたくさんの人の命を奪った。10人に1人は死んだがね。

彼岸花が咲く島」 著者 李琴峰 朗読 岩崎愛 3(第3章) 1:38:35~1:38:47

 

駆けるながらマスクをかける仕草も滑らかに、扉の奥に吸い込まれていく。

「貝に続く場所にて」 著者 石沢麻依 朗読 ささきのぞみ 3:38~3:45

もうお分かりかと思いますが、今もなお収まっていない新型コロナウイルス感染症に絡むもしくはそれを暗示させるかのような描写です。「ブラックボックス」「貝に続く場所にて」は明確にコロナ蔓延後の世界であることが文の中で示されています。

彼岸花が咲く島」に関してはコロナと明確に記述しているわけではなく、またその死者数等明らかに実際のコロナとは違うものですが、この記述の発想の大本は恐らくコロナがではないかと個人的には思います。

2021年の芥川賞作品が皆コロナの影響を受けたと言えるでしょう。コロナは現代世界のあらゆるところに影響し、変化を与え、今もなお影響を与え続けていますが、文学も例外ではなかったのかもしれません。

余談ですが、つい先月今年の上期の芥川賞作品が発表され、高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」なったようです。

www.amazon.co.jp

タイトルから察してさすがにこの作品にコロナに係る記述があるようには思えませんが、機会があれば読んでみたいと思いました。

Amazon Audibleからの引用のためページ数ではなくAmazon Audible内のタイムスライダーの時間の記載としています。

不定期更新。現在は殆どパンに関する記事をアップしている、洗練されていないブログですが、良かったら他の記事も見て行っていただけると幸いです。