発芽率5割の人参の種を発芽させるには
この記事は、秋蒔きで発芽率5割の人参の種を発芽させた経緯の備忘録です。その過程で自身が導き出した発芽させるためのポイントも記載しています。
(これから人参を栽培してみる予定だけど、発芽が難しいと聞くのだが・・・)等と思われている方の参考になれば幸いです。
目次
1.小松菜の様子
水撒きを自然(雨)に全て任せて、前回から8日が経過した昨日、小松菜の状態は以下のようになっていました。
わずか1週間で10~15cm近い長さに成長。普通に食べることができるレベルです。農薬を使わないため、一部に虫食いが酷いものも認められましたが、多くは穴が少し空いた程度でした。小松菜は成長しすぎると硬くなるので、20~25cmくらいの間で収穫するのが良いとされているようです。今回はもう少し成長の余地があるかと思ったので収穫の適当な時を見極めるために4割程度を残して収穫しました。
そして人参。種まきからの天候は数回一時的な雨が降り、それ以外は曇天、時より少し日が差すといった状況でした。先月の猛暑と比べると気温もだいぶ落ち着き、人参の生育にだいぶ良さそうな条件が揃っていました。その発芽の結果がこちらです。
発芽大成功です。
一部は発芽していない部分もありましたが、ほぼ筋蒔き(一列に1粒ずつ間隔をあけて蒔いていく)に従って発芽していました。
2.発芽のポイント
今回蒔いた「冬取り人参」の発芽率は55%(5割)です。1回目の失敗の経験から私が導き出した、人参の種の発芽のポイントは
1. 気温は30度程度まで。
人参の発芽適温はだいたい15~25度と言われています。やはり30度以上の猛暑では発芽は不可能に近いのではないかと思います。
8月が蒔き時と紹介されているところも多いですが、7月末から8月に蒔くと近年は間違いなく30度を余裕で超える猛暑の時季とぶつかります。ちょっと遅いようにも思えますが、今は秋冬収穫の人参は9月になり猛暑が和らいできたくらいに蒔くのが発芽にとっては良いのかもしれないと考えています。
2. 土は常に湿らせた状態にしておく。
やはり人参の発芽は水分に左右されるようです。私が実施した不織布のべたがけはかなり有効です。また、今回は前日に種を水につけて吸水させる処理を行ったのでそれも今回の発芽成功の要因になったかと思っています。今その検証ができないかと、残っていたもう一つの人参「時なし五寸」の種を吸水処理をしたものと、そうでないもので分けて蒔いて、発芽に違いが出るかを見ようと思っています。
3. 種の上からかける土(覆土)は少なくて良い。
2.とあわせて、これも人参の一般的な発芽条件の一つである光の条件を守るため、種蒔きの時に作った蒔き溝は浅く、0.5~1cm程度。かける土も種が隠れ溝が埋まる程度にしました。もちろん雨で流される心配も考慮して、土をかぶせた後は上からスコップを使ってならしたのちにスコップの裏面で土をトントン叩いて固めることを忘れずに行いました。
なお、2.で示した給水処理に関しては今回はコーティング加工されていないキダネでの場合です。コーティング加工されたものは吸水処理はできるかどうかわかりませんが、基本的な発芽条件は同じなので、結局それを守るための対策さえしっかりすれば発芽すると思います。
今回は種をまいてからの天候がかなり良かったので、これがもし晴れ続き、雨続きだったりした場合は発芽の状況は変わっていたかもしれません。こればかりは自然のことなのでどうしようもないのは本当に歯痒いですが、発芽させるためにやるべきことは全てやって後は天命を待つしかないのかと思います。
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